春の合宿

腰が仕上がり、掘りごたつが整い、新しいバーベキュースペースも完成して。青葉庵は、ようやく最初の「少し大きな集まり」を迎える準備が整った。同志社大学イノベーションクラブの学生10名が、2日間の合宿のためにやってきた。

彼らは、これからの一年について考えるために来た。

彼らの目的は、これからの一年をどう過ごすかを考えること。時間と場所、そしていつもとは違うリズムを手渡したとき、何が起こるのか——私自身も、それを楽しみにしていた。

門をくぐった瞬間から、空気が変わった。部屋の佇まい、庭の広がり、建物のスケール。「普通の滞在」とはどこか違う。誰かが笑いながら言った。「ここ、迷子になれそうですね」

ひと息ついたあと、一行は自転車で海沿いへ。この土地をよく知るご近所さんが、道案内をしてくれた。その日は今年いちばんの暑さ。道の上では、こいのぼりが風に揺れ、海へ向かう彼らを見送っていた。

青葉庵に戻り、蔵に集まった。広く、静かで、机と本と光に満ちた空間は、自然と人を引き寄せる。まずは、思い込みや意思決定についてのシンプルなワークから。その後は、杜仲茶畑を望むガレージの外で、小さなグループに分かれ、この場所が地域のためにできることを、それぞれ思い描いた。

アイデアは次々と生まれた。数十個も。誰も予想していなかったほどに。

火を入れたのは、そのあと。夕暮れとともに、バーベキューが始まる。料理はゆっくりと火が通り、会話は風のように流れていく。夜更けには再び蔵へ戻り、ノートパソコンを開いて、声を交わし続けていた。明かりが消えたのは、ほぼ午前3時だった。

翌朝は、静かに始まる。和室でのヨガ。障子越しのやわらかな光。ゆっくりとした動き。そのあと朝食を囲み、もう一度、計画やアイデアを磨き上げる時間を過ごした。

午後は、地域の方や地元の事業者さんに支えられながら、海岸清掃へ。作業を終えると、また集まり、写真を撮り、それぞれが少しずつ、日常の世界へと戻っていった。

翌朝、家はまた人で満たされる。今度は、地域の女性たちがヨガのために集まってきた。顔なじみ、新しい出会い。お茶を囲み、誰かが杜仲茶を持ち寄り、誰かが昼食を用意する。会話は自然と続いていく。

円が、静かに閉じていくように感じられた。

青葉庵は、ただ、役割を果たした。

人を静かに包み込み、その内側で、確かな何かが形を成していった。

古墳と海

高浜の海が運ぶ記憶。古の繋がり、渡来人、古墳。ともことリアムと過ごした冬、漆喰と焼肉の夜。海と山が語り合う、記憶とめぐりの物語。

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「海の男たち」は、太鼓の響き、炎、そしてそれを受け継ぐ人々の物語を通して、若狭の祭りに宿る荒々しい力と野生の魂を描き出す。

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