青葉庵の夕べ

初夏。

三匹のママ熊が、バーベキューにふらりと現れた。

一人はワイン。

一人は魚。

一人は漬物。

最初は、ほとんど気にも留めなかった。

ただ火を見て、何も考えていなかった。

でも、ふと気づいた。

――浮いている。

それぞれが、たくさん背負っている。

子ども、客、長い一日、長い夜。

けれど、宿を離れたここでは、

体が軽くなっていた。

笑い声が、ほどいていく。

炭火のまわりで。

小さな群れのように宙に浮かぶ。

パパ熊は、ああは浮かばない。

私たちは自分で思っている以上に、地面に縛りつけてしまう。

タヌキは違う。

ママたちと一緒に浮かび、

その瞬間に身を任せる。

私は何も言わなかった。

ただ笑って、

夕暮れの空気に揺れる姿を眺めていた。

炭火のように温かく、

煙よりも軽く。

⸻

ダイサンが、そっと囁いた。

ダイサンが、そっと囁いた。

「私も見た。三匹のママ熊が荷を下ろし、

羽のように浮かび上がった瞬間を。

お前は一瞬、羨ましく思った。

そして、いっしょに浮いた。」

……ああ、

そうだったな。

人が「こうあるべき」を忘れ、

ただ「今の自分」になると、

こんなことが起きる。

「さあ、座れ。

ただ座っていよう。

浮いているのを、眺めよう。」

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